第42回定期演奏会記念
  指揮者高谷光信氏 スペシャルインタビュー

指揮者になろうと思ったきっかけは?

私は京都市立堀川高校音楽科でトランペットを専攻し、蔵野雅彦先生に師事しました。
蔵野先生が指揮者としても活動されていたことが大きなきっかけですが、もう一つ、同校出身の世界的指揮者(佐渡裕さん、小泉和裕さんなど)が機会あるごとに学校にいらっしゃって私たちを指導してくだったことも指揮者に憧れたきっかけです。
先輩方から海外でのお話をお聞きしたりプロの空気を感じたりする度、私は指揮者になりたいと思うようになっていきました。特に佐渡裕さんからバーンスタインや小澤征爾さんのお話をお聞きしたときには、CDや雑誌でしか知り得ない世界を身近に感じ、心が震えました。

指揮者としてのこだわりを聞かせてください。

指揮者として最も大切な仕事は、「奏者が一番輝く環境を作ること」だと思っています。それが公演を成功させるために一番大切だと思うのです。
独りよがりな音楽観ではなく、今何が求められて、何を表現すべきかを感じ取る能力が指揮者には必要であると思います。
奏者みんなが一つの方向に向かうように指揮台で棒を振りつつ公演を終え、奏者の皆様やお客様の笑顔を拝見した時、私は指揮者をしていて良かったと感じます。

音楽をつくっていく上で大切なことは?

真摯に音楽に向き合い、そして楽しむことですね。

ナゴヤディレクターズバンドの印象は?

柔らかく温かい音色をお持ちの楽団だと感じました。それは代表者の小松先生のご指導の下、団員の皆様それぞれが一つ一つの音を大切にされているからだと思います。
団員さんは明るい笑顔の奏者が多いですね。きっと音を楽しんでおられるのでしょう。
指揮者は一人で楽団の中に飛び込んでゆくわけです。ですから、いつでも初めてお会いする楽団との初練習の前はとても緊張するのですが、今回の初練習では温かい音と明るい笑顔で迎えていただき、共に音楽できる喜びを感じました。
今回の演奏会ではナゴヤディレクターズバンドの温かさ、明るさで会場をいっぱいにできることと確信しています。

今回の演奏会の聴きどころは?

どの作品もテーマ「輝」に相応しいものばかりです。特にスパーク/クラリネット協奏曲(クラリネットソロ:菊次翼氏)、P.グレイアム/シャイン・アズ・ザ・ライトの両作品は華やかなリズムと親しみやすいメロディーに溢れています。
クラリネット協奏曲はスィングのアップビートにより聴いている方々に喜びを感じさせます。菊次翼さんの素晴らしいソロは必ずお客様の心をつかんで離さないことでしょう。
グレイアムのシャイン・アズ・ライトはそのタイトル通り「影から光へ」というテーマで作曲されております。
キラキラした音、温かな光を放つ音で会場をいっぱいにして、みんなで前向きな気持ちになることができれば幸いです。


ご来場のお客様へメッセージをお願いします!

東日本大震災を目の当たりにし、日本全体が辛く哀しい気持ちに支配されているように感じます。
そんな中、生きていること、こうして名古屋で演奏会を開催できることに心から感謝し、音楽することから生まれる感動や喜びが日本の停滞感、閉塞感を突き破る原動力になると信じています。
会場のお客様と一緒に音楽を楽しみ、皆様の心に輝きを届けることができるよう、気持ちを込めて指揮をさせていただきます。
皆様と会場でお目にかかれる事を楽しみにしております。


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